ばかもの
イントロダクション

気ままな大学生と、強気な年上の女。
かつての無邪気な恋人たちは、いつしか別れ、気づけばそれぞれに、
取り返しのつかない喪失の中にいた。
行き場をなくし、変わり果てた姿で再会した二人の、むき出しの愛。

10年ぶりで会った彼女の姿は…
19歳のヒデは、年上女・額子と初体験をする。ぶっきら棒だけど率直な額子に、ヒデはのめりこんでいく。しかしある日突然、額子は一方的にヒデを捨てる。ヒデは呆然としたまま大学を卒業、就職、新たな恋もするが、虚しさだけが募っていく。いつしかアルコールに頼るようになり、墜ちてゆく。一方、額子もその頃、惨い運命の中を懸命に生きていた。そして10年後、変わり果てた姿で2人は再会する。
片腕になった額子。その姿にたじろぎながら、惹かれずにいられないヒデ。愛と優しさに、不覚にも涙がこみ上げる。忘れたくても忘れられなかった2人の10年にわたる《不器用な純愛》に、私たちの心は深く静かに震える。
成宮寛貴×内田有紀 奇跡のキャスティング!かつてない難役にチャンレンジ、迫真の体当たり演技!
19歳から29歳までのヒデを演じるのは、人気絶頂の成宮寛貴(「ララピポ」「ドロップ」)。初めて女性を知る戸惑いや悦びに、世の年上女性はほだされずにいられない。対照的に後半の、アルコール依存症になり、堕ちてゆくヒデの演技には鬼気迫るものがある。間違いなく本作は彼の代表作になるだろう。
そして、額子を演じるのは、「クワイエットルームにようこそ」「踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!」など、個性的な作品から人気作品まで幅広い活躍で、女優として飛躍的に成長を遂げている内田有紀。複雑な役を、しなやかに見事に演じ、まさに“実力派女優”という印象を本作で決定的なものにした。
そのほか、息子を心配しつつ大きな愛で見守るヒデの母親に浅田美代子、ヒデの新恋人役の白石美帆、そして額子の母であり、ヒデの最悪のときを温かく支えたおでん屋の女将に古手川祐子など、魅力的なキャストが出演。額子の愛犬「ホシノ」の名演も忘れがたい。


芥川賞作家・絲山秋子×ヒットメイカー監督・金子修介(「デスノート」) 最強コラボで「将来への希望が持てる」力強いエンディングが完成!
原作は、芥川賞作家・絲山秋子の同名小説『ばかもの』(新潮社刊)。映像化に挑んだのは「デスノート」のヒットメイカー、名匠・金子修介監督。どん底まで墜ちる主人公の愚かさを真正面から見据え、絲山作品のもつ原始的とも言える生命力や官能をも見事に捉え、共感と愛しさを抱かせてしまう。そして最後、一抹の清涼の風を吹かせ得た。監督は「将来、希望を持てるようにしたい、という点で絲山さんと一致した」。その結果、絲山文学と金子監督のエンターテイメント性が見事にコラボレートし、稀にみる傑作が誕生した。 脚本は「プライド」でも金子監督と組んだ高橋美幸。撮影は、「蝉しぐれ」から「罪とか罰とか」「GOTH」まで、時代劇からポップな作調まで幅広く手掛ける釘宮慎治が担当。日本映画界の才能が結集した。
ロケ地、群馬県高崎の温かい風土
舞台は、東京生まれの原作者・絲山氏が5年来、居を構える群馬県・高崎市。風光明媚な田舎とは違う、どっしり現実感のあるちょっと栄えた地方都市。絲山氏によると、額子は「話し方はきついが、情に厚い」という群馬女性をイメージしているという。撮影は、白衣大観音(びゃくえだいかんのん)や達磨市など高崎市周辺から、額子の新天地・片品へ。吹割(ふきわれ)の滝、ラストシーンの渓流など、清らかで美しい自然環境は、いつまでも記憶に残る。